yum a coffee

LIGHT UP COFFEEの川野がたまに思うことを書いていきます。

バリスタはアーティストというよりもデザイナー

 

こんにちは。川野優馬です。

コーヒーショップをやっています。

 

お店オープンまでの道のりはこちらをご覧ください。

yuma-lightup.hatenablog.com

 

コーヒー Advent Calendar 6日目。

 

 

さてさて、僕たちがコーヒーショップに行ってコーヒーを楽しむことができるのは、「バリスタ」というコーヒーを作るスペシャリストがいるからです。

でもバリスタには実は資格もありません。名乗ってしまえばバリスタ。心構えも人それぞれ。

 

今日はそんなコーヒーを作るバリスタはどんなスタンスであるべきか。会社経営やデザインの話と絡めながら考えていきたいと思います。

 

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バリスタのスタンス

 

バリスタという仕事。簡単には、「コーヒーを作る仕事」ですが、LIGHT UP COFFEEでは、バリスタとは農家さんがつくったコーヒーという素材を、適切な形にして仕上げて「お客様に伝える役割」だとしています。

なんでかというと、コーヒーの味を作るのはあくまで生産者だという立場を貫いているからです。

 

ただ一方で、バリスタは自己表現の1つだという考えもありますよね。芸術家のように自分をコーヒーを通して表現する。自分の感性をコーヒーの味に落とし込んで披露する。

 

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▲お店にはお店ごとにいろいろなコンセプトがあり、コンセプトを追求した商品がそこにあります。

 

 

そのお店のコンセプト次第で、どんなバリスタのありようも正解だと思っています。オーナーの目的あってのお店なので、目的に沿ったコーヒーがそこにはあるべきです。

 

ただ、お店の目的が、「コーヒーを伝える」となった時には、バリスタは「伝わる形」でコーヒーを提供する必要があります。

お客様に伝わってないと思ったら、何が要因で伝わらなかったのか分析して、伝わる形に変容させないといけない。

そういう意味では、伝えることに意義を置くバリスタとはアーティストではなくデザイナーなのかも知れないと思いました。

 

 

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▲実は去年までコーヒーショップをやりながらリクルートのUXデザイナーとして働いていました。

 

 

今はそんなお店はありませんが、コーヒーショップでコーヒーを注文して、砂糖を入れようとしたらバリスタに怒られたりとか、

酸っぱいですね、苦いですね、とコメントしたらバリスタが否定された気持ちになるのは、「伝える」という意識の上では良くはない気がします。

 

これはフルーツの酸なんで酸化した酸とは違いますよと言っても、酸っぱいと思ったらそれはお客さんにとっては酸っぱい。 自分が作ったものだからこそ感情は籠るけど、目的は伝えるということだと意識しないといけないと思います。

そんな心構えが、WEBデザイナーさんがデザインして、修正対応を食らったり、いまいちリリース後に結果が伸びない時の、プロダクトに情念を乗せずに結果を冷静に振り返るべきな状態に、とてもよく似ていると思いました。

 

作ったコーヒー(プロダクト)が自分の分身そのもの、のように念が乗っていると、切り替えが難しいと思います。プロダクトを否定されたことがすなわち自分を否定されたわけではなく、伝える手段が違っていただけ、と考える方がいいはずです。

 

そういう意味で、プロダクトへの否定的意見を素直に受け入れて、「どうやったら伝わるか?」「ユーザーは何を求めているのか?」を考えて、伝わる形に常に変化し続けていくことが、コーヒーでもデザインでも大切だと思いました。

 

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▲感覚的なコーヒーだからこそ、伝えるのはとても難しいです。

 

 

打率とサイエンス

 

伝わる形にするために、常に美味しくするために、コーヒーの抽出理論もとても大事です。どうやって味が出てきて、どんな淹れ方にするか、といったレシピのことです。

 

コーヒーも経営もデザインも、感覚で舵を切ることと、理論で意思決定すること、両方があります。

でも僕は、アートとサイエンスが常にある比率で存在しているわけではなく、積み立てた理論の先に感覚の判断があって、理論をどれだけ積み立てて、リスキーな感覚的判断の割合をいかに減らせるかが大事だと思います。

 

毎回美味しくなるように、何gの粉で何mlのお湯を注ぐか、もっといくとどんな豆でも通用するような粉とお湯の比率、抽出率など、メソッドを確立して論理化してしまえば、「じっくり」「しっかり」「こんな風に」といった感覚的で属人的な判断で味がブレることが減っていきます。

 

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▲コーヒーが美味しくなることにも、ロジックがあります。

 

 

打率を上げるために、リスクを減らすために、どうやって積み立てた理論で足場を作るか。

僕は経営もデザインも素人ですが、なんとなく経営でもデザインでも同じことが言える気がします。

 

 

そう考えると、伝える職業だからこそ、伝わるロジックを明確化して伝わる確率を増やし、そして伝わっているかを常に観察していくことは、とっても大事だと思いました。

  

 

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LIGHT UP COFFEEのコーヒーは本当に伝わっているかな。

 

色とりどりで、作り手ごとに個性が溢れていて、明日も飲みたくなるような、冷めた最後の一口のバランス。

慌てた眠気覚ましではなく、インスピレーションやリラックスを感じる、豊かな1杯。

 

まだの方は、頑張ってお伝えするので、LIGHT UP COFFEEでお待ちしてます!

www.lightupcoffee.com